モデラーズギャラリーにザクレロ改(最終決戦仕様)投稿しました。
- Ryuji Kawabata
- 2016年4月18日
- 読了時間: 4分

ア・バオア・クーでの最終決戦を前に、開発が終了した試作機も実戦に投入されることとなった。このザクレロ改もそのひとつで、急遽メーカーに残っていたパーツをかき集められて作られた機体である。

失敗作という烙印を押された機体であるが、武装や推進力が大幅に強化されている。まず機体中央の拡散ビーム砲は3門に増加され、腕のヒート・ナタは取り外され直線ビーム砲と、ジオング開発のために試作された大型マニピュレーターが取り付けられている。指の先にはビーム砲が搭載されているが、出力などの問題もあって実際に発射することはできない。いわゆる手のひらの部分にはシールドが装備されており、これにより敵の攻撃を防ぐ。ならば最初から盾だけを装備させれば良いのではないかとも思えるが、ヒート・ナタを取り外してしまったので、接近戦の際に何らかの役に立つのではないか、という判断のようだ。

推進力の強化は大型バーニアを多数搭載することで実現している。機体側面にあったミサイルランチャーはエンジンとプロペラントタンクに変更され、本体のバーニアも大型化されている。そのために短くなった稼働時間は2基の大型バーニアユニットを延長して内部にプロペラントタンク内蔵することで補おうとしたようだ。タンクがむき出しであるところに最終決戦前の慌しさを感じる。

最も特徴的なのは本体下部にぶら下がっている小型版ザクレロである。これは開発初期に機体性能を確かめる目的で作られた小型試作機で、本来武装なども搭載されていなかったものを急遽実戦に投入する目的で引っ張り出してきたものである。本体中央には小型ながら直線ビーム砲が搭載され、下部には大型ミサイル2基を増設。さらにアーム先端には小型ビーム砲が搭載されており、数発程度であるがビームを撃つことができる。小型試作機ということもあって稼働時間が大変短く、戦場まで運んでもらう必要があったため、このような形となった。それがなぜ本機に搭載されることになったのかは不明。

本機パイロットは不明だが、試作機であるにもかかわらず果敢に「連邦軍の白い悪魔」ガンダムに戦いを挑み、散っていったテストパイロット「デミトリー曹長」に敬意を払った機体マークから、その人柄がしのばれる。

ザクレロの開発コンセプトからは外れた機体であり「あったものを取り付けただけ」という印象を受ける。ザクレロが親子のようにくっついて飛行している姿はジオン軍兵士の間でも印象に残っていたようで、たった1機しか造られなかったにも関わらず、戦後数多くの証言が残っていたという。
こんなオリジナル設定で製作したザクレロ改。いかがでしたか?おなじみ「(株)おもちゃのバンビ生駒店」にて再販されていたザクレロを見かけた時、何か面白いものができそうな気がしたので作ってみました。ザクレロって色物扱いされているだけに改造しやすく、HGカスタマイズパーツを使うのに丁度良いキットでした。
一番苦労したのはマニピュレーターで、肉抜き穴を埋める作業から、あちこち隙間ができないようにパーツを貼り付けたりしてたら一番時間がかかってしまいました。
小型ザクレロは、キットを見てみたらなかなか良い出来の小型ザクレロが付属しており、これを使わないのは勿体無いなと思っていたところ、三菱が開発中の国産ステルス戦闘機が小型機で実験をしているというニュースを思い出し、じゃあザクレロにあってもおかしくない、と思ったのでこうなりました。
カラーリングはさすがに実戦であの色は目立ちすぎるのでは・・・と思ったのでザクカラーに。機体マークもオリジナルです。バーニアユニットの辺りは、昔懐かしい波佐本ディテールを参考にしました。このためにタミヤ「小火器セット」を購入。一度やってみたかったのです。
塗装はげを表現するため、実際に塗装をデザインナイフでちくちくとはがしていきました。マークやラインなどから、おもちゃっぽさを消すのに大変有効ですね。あと、初めてパネルラインを入れてみました。デザインナイフで削っていったのですが、うまくいかないところもあり、なかなか難しかったです。
こんなに時間をかけて作ったのは久しぶりで、なかなか完成しませんでしたが、ようやく公開できました。楽しんでいただけたら幸いです。
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