マークⅣ、サン・シャモン製作しました。
ずいぶん前に完成していたのですが、タミヤのマークⅣメール製作しました。マークⅣとは、イギリス軍が世界で初めて実戦投入した戦車です。第一次世界大戦の時の機体ですね。鉄条網と機関銃と塹壕のためにいつまでも戦争が終わらないので、それを打破するために作られたものだそうです。鉄条網を踏みつぶし、機関銃の弾を跳ね返し、塹壕を乗り越える決戦兵器として開発されたんですね。
キットはモーターライズされていて、スイッチを入れるとゆっくりしっかり動き出します。多少の障害物は乗り越えてくれますが、滑るような場所は延々と空回りして進めないという、実機さながらの動きが見られます。そこが可愛い。
側面のスポンソン(でっぱりの部分)はあっさり接合部が壊れたので、ネオジム磁石を仕込んで取り外しできるようにしています。
陸軍があまり乗り気ではなかったため、開発したのは当時チャーチルが大臣を務めていた海軍で、陸上戦艦のイメージで作ったそうです。確かにそんな感じですね。
塹壕を乗り越えるための装備がいろいろと。最初は機械的にあまり信頼できるものではなかったため、いろいろ追加されたり試行錯誤した跡がみられますね。
こちらが正面。こんなものが向こうからやってきたら、逃げたくなるのも分かりますね。ただし装甲は薄かったので、機関銃の弾は弾けても大砲が命中するとあっけなく撃破されたそうです。あと手りゅう弾とか。塗装はいつも通りファレホを使って塗装。Mr.ウェザリングカラーでウォッシングしています。
こちらは同時代のフランス軍戦車「サン・シャモン前期型」です。中国メーカー「タコム」の製品ですね。もうちょっとどうにかならんか、という部分も少しありましたが、全体的によくできていると思います。第一次世界大戦時の戦車といえばさきほどのマークシリーズ(Ⅰ~Ⅴまであった)で、フランス軍のはあまり有名ではありません。何故有名ではないかというと、例えばこのサン・シャモンだと、強力な大砲を乗せるために前部を延長したため、走破能力が著しく劣る戦車になってしまったりと、あまり活躍できなかったのが原因かと。
この前期型だと、屋根が真っ平だったため、敵が投げた手りゅう弾がそのまま乗って屋根の上で爆発してしまい、被害が出たそうです。なので中期型以降は平らではなくなったとか。
この迷彩塗装はなかなか楽しかったですね。元々はグレーだったようですが、飛行機から見ると目立つ色だったそうで、こういう迷彩塗装が施されたとか。
塗装は全て筆塗りで行っております。マスキングと吹き付け塗装だとかえってめんどくさいことになりそう。
こちらが正面。改造してまで搭載した最新式大砲も、その内普通の大砲に替えられてしまったとか。上のでっぱりの部分は外を見るための装置なのですが、すぐ壊されるからと中期型で無くしたものの、「やっぱりいる!」ということで後期型では復活したり、今まで無かった兵器を仕上げるため、試行錯誤した感じがあって、なんとも人間臭い兵器と言えますね。
これらの知識は、モリナガ・ヨウ氏著作の「私家版戦車入門」というイラスト本にて得ました。1と2が出ていて、どちらも味のある絵と戦車の歴史が分かって大変面白い本ですよ。お勧めです。